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普及啓発

建設業・運輸業における
人材確保・定着のカギ

人口減少や少子高齢化が進む中、企業においては、多様な人材が能力を発揮できる職場環境づくりや、人材の確保・定着に向けた取組が重要となっています。東京都は、誰もが生き生きと暮らす社会の実現に向け「東京都雇用・就業分野における女性の活躍を推進する条例」を制定しました(令和8年7月1日施行)。本条例の趣旨を踏まえ、女性がその個性や能力を十分に発揮できる環境の整備を推進するとともに、あらゆる分野や役割において活躍機会の拡大が求められています。女性が安全に働きやすい環境を整えることは、職場全体の安全性向上や組織の活性化、企業価値の向上につながり、多様な人材の確保や定着にも効果があります。建設業や運輸業でも、こうした取組を進めてみませんか。

巡回員が皆様の
事業所を訪問します

東京都では、本事業運営事務局の巡回員が建設業・運輸業の皆さまの事業所を訪問し、働く女性のための施設整備の改善についてのご案内や情報提供等を行う取組を実施しています。訪問では、女性用トイレや更衣室の整備、休憩スペースの確保の必要性など、職場環境の改善に向けたポイントや、都の支援制度の内容についてご説明させていただきます。

(主なご案内内容)

・建設業・運輸業における人材確保・定着の課題

・女性用トイレ、更衣室等の整備の必要性

・都の補助制度・支援事業の活用方法

・企業の取組事例の紹介

なお、訪問は事業者のご希望に応じて実施しています。訪問をご希望の場合は、お問い合わせ先までご連絡ください。

建設業・運輸業の課題と、
事業者に求められる取組

建設業や運輸業においては、女性労働者比率が他の産業と比較して特に低い実態があります。

建設産業では、女性の就業者数は増加傾向にあるなど一定の成果が見られる一方で、入職者数に対する離職者数の割合が全産業と比べて高い状況にあるなど、女性の定着はまだ不十分と考えられるという報告もあります。

また、運輸業では、バス業界をはじめとして高齢化による担い手不足が進み、女性も依然として少ない状況です。

その背景の一つとして、女性が安心安全、快適に業務を行える職場環境が十分に整っていないことが考えられます。特に、女性用トイレや更衣室、ロッカーなどの不足は、現場での大きな課題のひとつであり、早急な改善が望まれています。

※「建設産業における女性活躍・定着促進に向けた実行計画」(令和7年3月国土交通省)

建設産業における女性活躍・
定着のための取組状況

建設産業における女性活躍・定着の取組状況。従業員規模別の割合:30〜99人 取組なし300社・取組あり747社、1〜29人 取組なし862社・取組あり、全体の65%が取組なし

建設業において、女性活躍・定着のために何らかの取組を実施している企業の割合は約半数。取組なしの企業のうち、従業員100人未満の企業が90%を占める。
取組を実施してない理由は、人的余裕のなさが最も多い。時間・予算の不足、女性の求人がない、何をすればよいか分からないという回答も。

職場における
労働衛生基準の見直し

令和3年12月、多様な労働者の働きやすい環境整備への関心の高まり等の社会状況の変化を踏まえ、職場における労働衛生基準の改正や基準の見直しが行われました。

※「ご存知ですか? 職場における労働衛生基準が変わりました」(厚生労働省)(外部サイトへ移動します)

労働衛生基準の改正・見直しの
主な項目(例)

  • 便所
    • 男性用と女性用に区別して 設ける原則は維持
    • 新たに独立個室型の便所を位置づけ、少人数の事務所の例外や付加的に設ける便所の取扱いを規定。
    「独立個室型の便所」の定義
    • 男性用と女性用に区別せず、単独でプライバシーが確保されている
    • 便所の全方向が壁等で囲まれ、扉を内側から施錠できる構造である
    • 1個の便房により構成されている
    独立個室型トイレのイメージ。壁等で囲まれ内側から施錠できる個室構造
  • 更衣室・シャワー設備等

    性別を問わず
    安全に利用できるように

  • 休養室・休養所

    随時利用
    できるように

  • 休憩の設備

    事業場の実状や
    ニーズに応じて検討

ここがポイント

まずは自社の課題を把握することが大切です。
職場において労働衛生基準が守られているかどうか確認しましょう。

職場環境整備が、
人材確保・定着に直結

女性が働きやすい職場づくりの第一歩として、まずは男女別で清潔なトイレを整備することから始めてみませんか。

女性が快適に利用できる
「快適トイレ」

建設現場に設置する仮設トイレについては、「快適トイレ」の整備を推進しています。快適トイレとは、従来の仮設トイレに比べ、衛生面や使いやすさに配慮した、誰もが安心して利用できるトイレのことをいいます。

公共工事においては概ね整備されていますが、民間工事においても整備を進めることが重要です。

※「快適トイレの導入について(令和8年2月27日通知)」(国土交通省)(外部サイトへ移動します)

快適トイレに求める機能

  • 洋式
    (洋風)
    便器
  • 水洗及び
    簡易水洗機能
    (し尿処理装置付き含む)
  • 臭い
    逆流防止
    機能
  • 容易に
    開かない
    施錠機能
  • 照明
    設備
  • 衣類掛け等のフック、
    又は、荷物の置ける棚等
    (耐荷重を5kg以上とする)
付属品として備えるもの

男女別のトイレの明確な表示や、周囲からトイレの入口が直接見えない工夫、サニタリーボックス、鏡と手洗器、便座除菌クリーナー等の衛生用品
そのほか、擬音機能や着替え台、臭気対策機能の多重化、
室内温度の調整が可能な設備、小物置き場なども推奨されています。

一人親方の女性が、現場にトイレが無くて困ったという声も。
元請け事業者が、工事現場に清潔な女性用トイレを整備することで、女性が働きやすくなります。

女性専用設備を整備した企業の事例

事例1 
株式会社酒井組(建設業)

「建設現場への
女性専用仮設トイレ設置」
株式会社池井組が導入した建設現場の女性専用仮設トイレの外観
  • 視察や下請け会社の女性も利用できるよう、女性がいない現場でも女性トイレを設置
  • 入口前に衝立を設置し、出入りが見られないよう工夫
  • 女性だけでなく男性のためにもきれいなものを設置

設備がきれいで気分がいいのは男性も同じ。
女性が働きやすい環境の整備が、男性の働きやすさを考えるきっかけになった。

事例2 
豊玉タクシー株式会社(運輸業)

「女性専用休憩室・
ロッカールームの設置」
鼎玉タクシー株式会社が整備した女性専用休憩室・ロッカールームの室内
  • キッチンや入浴スペースも備えた女性専用休憩室・ロッカールームを整備
  • 女性乗務員同士の親睦を深めるため、休憩室で女子会を実施

女性乗務員が増加。充実した女性専用設備が新規採用や人材定着に効果をもたらしている。